受託したSES業務が「在宅勤務」に移行した場合、受託者がすべきことは?


SES事業者様からの質問に対する回答

当協会の代表理事の中野は、法律事務所と社労士事務所を経営しています。

そこで、たくさんのSES事業者様からの相談を受けています。

そこで今回は、SES事業者から受けた質問と、その回答をしたいと思います。

【質問】受託したSES業務が「在宅勤務」に移行した場合、受託者がすべきことはあるのか?

コロナウイルスの影響により、受託(再委託)した業務が、在宅により行われること(「在宅勤務」)となりました。

この場合、受託者として「在宅勤務」への対応について何か必要なことはありますか?

【回答】在宅勤務時のルールを明確化が必要です。

まず、基本契約書や個別契約、秘密保持契約などに、在宅勤務になった場合の規定があるかどうかを確認しましょう。

規定があれば、その定めに従った対応をすることになりますが、規定がなければ、ルールがない状態となります。

特に、在宅勤務の場合には、以下のような問題が発生しやすくなりますので、新たに在宅勤務に関するルールを双方協議の上作成し、覚書や誓約書などを新たに作成することが望ましいと言えます。

  • 秘密保持(自宅で作業をするため、セキュリティー環境などについて通常とことなることがある)
  • 機材の取扱い(PC等の機材を貸し出すのか否か、貸し出した際の注意事項など)
  • 費用負担(自宅の電気代や水道代、通信費など、従来会社が負担していたものについての取扱いなど)

誓約書等の作成相手は会社であること

誓約書などを作成した場合に、担当の技術者個人から署名や捺印を取ろうとする企業が多くいますが、契約の主体は「会社自体」になりますので、作業をする個人から署名や捺印を取ることはありません。

個人に対し覚書や誓約書で約束をさせようとすると、それ自体が「発注者による指揮命令」となり、偽装請負と判断される可能性があります。

新たな約束(契約)を作る際には、必ず、当初のとおり直接契約関係のある会社同士で取り交わすようにし、抑止的に技術者に署名をもらいたい場合には、技術者の所属会社が行うようにしましょう。

再委託先がいる場合は、再委託先とのルール作りも!

例えば、「A社→X社(自社)→B社」といった商流であった場合「A社→X社(自社)」の契約と、「X社(自社)→B社」の契約は、同じA社の業務を扱う内容の契約ですが、まったくの別の契約となります。

したがって、「A社→X社(自社)」間の誓約にB社が違反した場合には、A社に対しX社(自社)は責任を負わなければなりませんが、X社(自社)はB社に対して責任を追及できない可能性が発生してしまいます。

上記のことから、X社(自社)としては、上位会社からの「在宅勤務」に関する新たな約束(A社との誓約書)を守るとともに、再委託先にも同一かそれ以上の内容の「在宅勤務」に関する新たな約束(B社との誓約書)することについても検討する必要が考えられます。

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