プロジェクトの工程に欠陥が見つかったら、SES受託者に対して改善要求できるのか?


SES事業者様からの質問に対する回答

当協会の代表理事の中野は、法律事務所と社労士事務所を経営しています。

そこで、たくさんのSES事業者様からの相談を受けています。

そこで今回は、SES事業者から受けた質問と、その回答をしたいと思います。

【質問】作業の欠陥に、発注者は意見できる?

SESとして参画するプロジェクトにおいて欠陥製品が発生したことから、発注者が受託者である当社の作業工程を確認したところ、欠陥商品の原因が当社の作業工程にあることがわかりました。

この場合、発注者が当社に対し、作業工程の見直しや欠陥商品を製作し直すことを要求することは偽装請負となりますか?

【回答】「受託事業者」に対してであれば、OK!

発注者から請負事業主に対して、作業工程の見直しや欠陥商品を製作し直すことなど発注に関わる要求や注文を行うことは、業務請負契約の当事者間(会社間)で行われるものであり、発注者から請負労働者への直接の指揮命令ではないのであれば、労働者派遣には該当せず偽装請負にはあたりません。

ただし、発注者が直接、請負労働者に作業工程の変更を指示したり、欠陥商品の再製作を指示したりした場合は、禁止されている「直接の指揮命令」に該当するものとして、偽装請負と判断されることになります。

【point】「何を言うか」よりも、「誰に言うか」に注目

偽装請負における指揮命令は、作業する労働者(エンジニア)に直接行わなければ請負事業主(会社)に対して行うこと自体をも禁止しているわけではありません

委託者に対して「何を言ったらマズイか」ではなく、「誰に対して言ったらマズイのか」をよく確認のうえ、行うようにしましょう。

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