SES事業者様からの質問に対する回答
当協会の代表理事の中野は、法律事務所と社労士事務所を経営しています。
そこで、たくさんのSES事業者様からの相談を受けています。
そこで今回は、SES事業者から受けた質問と、その回答をしたいと思います。
【質問】業務委託契約の商流において、請負とSES(準委任)が混同していることは問題ないのか
上位会社から、「請負」の契約で受託した業務委託契約があります。
開発要員の不足から、当該契約の一部をSES契約にて補おうと考えています。
こういった場合「A社(請負契約)→当社(SES契約)→B社」とする商流については、偽装請負と判断されることがあるのでしょうか?
【回答】当該商流だけをもって偽装請負とはならないが、適正な運用が必要
本件の場合は、御社が準委任としての発注元になるだけなので、当該商流自体にSES上の問題はありません。
再委託が可能かどうか、また、再委託をSES(準委任)で出せるかどうかは、大元の発注者(上記A社)との契約問題ですので、A社と良く話し合いの上決めるようにしましょう。
【point】A社との契約と、B社との契約は全くの別物であるということ
当該商流のポイントは「A社と御社の契約(請負)」と、「御社とB社の契約(SES)」は、まったく別契約であるという認識を忘れてはなりません。
従って、
・A社とは請負としての取り決めやルールを順守する必要
・B社とはSES(準委任)としての取り決めやルールを順守する必要
・そして、契約上A社とB社には直接の関係がないこと(A社はB社をコントロールできないこと)
を肝に銘じてプロジェクト運用を行う必要があるのです。
A社に関しては、御社との請負契約ですので、A社から御社に対し指揮命令や労務管理などは一切できないことになります。
また、B社への対応に関しては、御社とのSES契約ですので、御社から指揮命令や労務管理などは一切できないことになります。
そして、上記の通り「契約上A社とB社には直接の関係がない」ため、当然、A社からB社に対しても指揮命令や労務管理などは一切できないことを忘れてはなりません。