SES事業で「管理責任者の兼任」は大丈夫なのか?【回答と解説】


SES事業者からよく受ける質問

SES事業者から、多くのご質問を受けます。その中の質問は、共通している部分も多々あります。

今回は、SES事業者からよく受ける質問について回答と解説をしていきます。

SES事業における管理責任者の兼任

質問

SES事業の管理責任者が作業者を兼任する場合、管理責任者が不在になる場合も発生しますが、法律上、問題がありますか?

回答

作業者が、責任者を兼務していること自体は、原則OKです。

しかし、作業者が1人しかいない1人現場で、その方が管理責任者を兼任している場合には、偽装請負と判断されることがあります。

管理責任者不在時には、代理の者を選任しておけば、OKです。

しかし、業務の都合上、実際の管理業務ができていない場合には、法律違反と判断されることもあります。

解説

通常、指揮命令は会社間でやり取りを行う必要があります。しかし、業務の簡略化のため、現場責任者間で行う場合も多いです。

そして、SES事業者の管理責任者は、会社に代わり、作業場での指示、労働者の管理、クライアントとの注文に関する交渉をすることができます。

作業者であり責任者である(兼任する)こと自体はOKです。

しかし、作業者が1人の場合や、管理業務がおろそかになっている場合には、クライアントから直接の指揮命令があると判断される可能性がありますので、注意しましょう!

管理責任者が常駐していない場合

質問

SES事業者が派遣したエンジニアが、クライアントの事業所で1人で請負業務を処理しています。

そこには、SES事業者の管理責任者は常駐していません。派遣したエンジニアとクライアントとの連絡調整のため、必要に応じて巡回して業務上の指示を行っています。これは、法律上の問題がありますか?

回答

常駐先にSES事業者が派遣したエンジニアが1人しかいない場合は、作業者兼責任者(兼任)はNGです。

SES事業者の管理責任者は、常駐じゃなくてもOKです。業務指示、エンジニアの管理等を自ら的確に行っている場合には、問題ありません。

解説

エンジニア1人の現場で管理責任者兼任はNGです。

しかし、エンジニアへの指揮命令・労務管理等が、しっかりSES事業者側でされていれば、責任者は常駐である必要はありません。

よくあるのが、営業担当者などを責任者とするケースです。これ自体は、問題ありません。

注意すべきなのは、管理責任者を常駐させないケースの場合、管理責任者の不在時であっても、クライアントから指揮命令・労務管理等が行われないような管理体制や情報共有などを行っておく必要があります。

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